オーストラリアの研究グループとの交流報告

3月上旬にオーストラリアの緩和ケアの多施設臨床試験グループであるPalliative Care Clinical Studies Collaborative(PaCCSC)とシドニー大学が主幹しているサイコオンコロジーの研究グループのPsycho-oncology Co-operative Research Group (PoCoG)を訪問して参りました。

PaCCSCは、毎年この時期に全豪の登録施設の医師やリサーチナースを集めて、Annual Research Forumを開催しております。

日本からも、J-SUPPORTやJORTCのメンバーが数年前から参加しており、今年はJ-SUPPORTから領域II(支持療法・緩和ケア)の全田・里見と領域IV(研究方法論)の山口・宮路が参加して参りました。

Forumでは主に、新しい研究コンセプトの発表や登録が終了し解析結果が出た試験の議論をされており、JORTCからも2つの演題がございました。来年は、J-SUPPORTからも演題を募集する予定です。

Forumの翌日は、Trial Management Committeeにもオブザーバーとして特別に出席させて頂きました。

 PaCCSC・PoCoG1

(写真1:PaCCSC Principal InvestigatorのDavid Currow教授との記念写真。)

 

PoCoG訪問では、 Quiality of Life OfficeのMadeleine King教授とRebecca Mercieca-bebber先生に受け入れて頂き、Patient-reported Outcome(PRO)を用いた臨床研究における課題や取り組みについての意見交換やJ-SUPPORTの組織体制や領域IV(研究方法論グループ)の活動紹介を行いました。

PoCoGのQuiality of Life Office ではPROを用いたがん臨床試験のコンサルテーションを多数されており、PROを用いた臨床試験の標準化の取り組みとしては、プロトコールの標準化のガイドラインであるSpirit StatementのPRO拡張版をSpirit-PROとして、ISOQOLやUniversity of Birminghamと連携して開発を進められております。

J-SUPPORT領域IVでもClinical Outcome Assessment(COA)の選定のプロジェクトを進めており、PROを用いた臨床研究の標準化の取り組みについて、今後PoCoGと連携して行く予定です。

 

PaCCSC・PoCoG2

(写真2:J-SUPPORTの活動目的や研究実施体制について、情熱を込めて説明する全田先生。)

PaCCSC・PoCoG3

(写真3:PoCoGのメンバーとの記念撮影。左から5番目がMadeleine King教授、右端がRebecca Mercieca-bebber先生。)

PaCCSCとPoCoGに関する情報は、以下のホームページをご覧ください。

PaCCSC HP: https://www.caresearch.com.au/Caresearch/tabid/2476/Default.aspx

PoCoG HP: http://www.pocog.org.au/