J-SUPPORTは支持・緩和・心のケアに関する恒常的な多施設臨床研究体制を構築し、患者・市民の皆様とともに歩みます!
日本がん支持療法研究グループ:J-SUPPORT(Japan Supportive, Palliative and Psychosocial Oncology Group)は、恒常的な多施設臨床試験・臨床研究のハブとなるべく、2016年に国立がん研究センター研究開発費(A-27-3:代表 内富庸介)の支援を受けて設立され、科学性を追求しつつ、メンターによる支援体制を充実させ、患者・家族・市民参画(Patient and Public Involvement: PPI)による支持療法・緩和治療・心のケアの開発を行ってきました。これまでに、20 の承認研究課題すべてが競争的資金を獲得し、8つの研究課題は終了して論文として公開され、1課題(化学療法誘発性悪心・嘔吐予防に対するオランザピン試験)は診療ガイドライン導出を果たし、保険収載されました。
2024年度からは、小生が代表を拝命したのを契機に、これまでのJ-SUPPORTの流れを継承しながら、がん治療中にとどまらない緩和治療・サイコオンコロジーのエビデンス構築のため緩和研究グループの新規設立を行い、PPIによる介入研究基盤構築を目指すこととしました。また、新たな研究グループと研究課題を通してのネットワーク構築体制の充実、企業や異分野との連携基盤の整備、人材育成のための基本教育・セミナーの整備、研究ポリシーの整備等を目指して参ります。
我々の活動を行っていくうえで最も重要な点は「仲間とのつながり」だと考えています。臨床をしながら「これってどうして?」という疑問を解決していくためには、皆様の情熱と「この仲間たちと一緒に研究をやりたい!」と思える同志の存在が最も重要だと考えています。ホームページをご覧いただいた皆様で、J-SUPPORTの活動に賛同いただける方は、ともに交流を深めていきましょう。
私自身は、サイコオンコロジー・緩和医療・腫瘍内科も含めた広義の心身医学を実践する心療内科医として、悪性腫瘍の診療に携わってきた臨床医です。「病気ではなく人を診る医療・ケア」は多職種が様々な形で関与しており、基本的なケアとして提供されているかもしれません。しかし、どこでも誰でも実践できる標準的な治療・ケアとして確立されているのはごくわずかです。ここに求められるエビデンスを構築していくには、新たな研究者の皆様のアイデア、情熱が必要です。
これまでのJ-SUPPORTのスタッフの方々が構築してきた強みを継承し、さらに新規の挑戦を患者さん・ご家族・市民の皆様とともに展開させることが、新生J-SUPPORTのミッションと考えています。一緒に歩みましょう!
2024年4月
日本がん支持療法研究グループ
代表 松岡弘道